EVS-16 Beijing

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EVS-16 北京


展示会場の外では試乗会"Ride&Drive"。
私の担当はここ。今回のEVSの試乗会は非常に寂しい。 というのも試乗車はわずかに3台。しかも試乗コースは ホテルの庭の散歩コースで石畳。 でも、車というものは見るものじゃない、乗ってみなきゃ 分からない。
隣りにあるのは中国製「兆成電動車」のコンバート車。 シャレードにベンツっぽいグリルがなんとも面白いですが、中身は まぁ学生のコンバートのレベル。
むかし環境研に来ていたこともある先生が試乗中。
試乗は一人づつ、出展者側から1人が後ろに同乗します。 といっても、私は中国語が理解できないので、中国人が乗る時には 現地のドライバーのソン(松)さんに乗ってもらいます。 おかげで助かりました。
もう一台の試乗車レンジャーNiMH。
私も報告書くのために試乗させてもらいましたが、クリープもあって なかなか良い出来。 フレームの中に電池を挟んであるので重量配分も問題なく、 荷台も侵食されない。 ただ、ベースがピックアップなので所詮トラックです。 調子こいて踏んでいたらリアスライドしました。 狭い道ですが大きなクルマなので動きは穏かでしたので助かりました。 「とりあえず思いっきり踏んでみる」というのは悪い癖。
EVの世界で今は注目度No.1の企業「バラード社」のブース。
この様に、人がいることは稀でパンフレットと燃料電池のスタックや アクスル一体の駆動モジュールが置いてあるだけで、意外と寂しい ブースです。 それは、中国語の説明がなかったからというのも理由の一つでしょう。
GMのガソリン改質型燃料電池モジュール。
燃料電池自体はバラードのモジュール。 ガソリンから水素を取り出す改質装置が大きい。 ガソリンからの改質では今あるインフラを使えるので 導入は最もやりやすいですが、ガソリン改質は反応温度が メタノールなどより高いため技術的なハードルは高いというのも事実。
このモジュールはOpelのZafiraに搭載されていたものだと 思われます。 この後の東京モーターショウではオペルブースに パネルと模型の展示がありました。
今回のEVSではホイールベースが延ばされて間延びした EV1が2台展示されていました。 その一台がこれ、「パラレルハイブリッド」のEV1。
フロントの機構はEV1のそのままに、リアをエンジンで駆動します。 間延びしているのはリアにエンジンを積むというだけでなく、2シーター であるEV1のリアに+2のシートを付けて2+2にしているから。 格好は悪くなってしまった感は否めませんが、車体は長い方がCdも良くなる傾向。
EV1パラハイのモデル。
コンバートを作る時の議論でも、例えばFFベースの生活4WDのセンターデフを ロックして、リアにインホイールモーター付けたら、 パラレルハイブリッドになるぜという発想はあった。 それをフロントとリアを逆転させたものといえばその通り。
この2つを比較してみると、フロントに電気の方が回生は使いやすいはずだ。 ブレーキ時はフロントに荷重が移動するのでリアでは回生ブレーキも効かない。 でも、リアに電気が付いているとしたら、低速低回転での発進トルクを稼げるので 車の運動性能としては良いではないだろうか。
もう一台の「間延びした」EV1。こちらはシリアルハイブリッド。
これもフロントの機構はEV1そのまま。 リアに小型ガスタービンを積むというシリアルハイブリッド。 シリアルハイブリッド車の効率は発電機の効率に依存する。 発電の効率を考えるとガスタービンは効率が高いので、「みごと採用」 となるわけだ。 ついでにガスタービンは燃料もある程度フレキシブル。
EV1シリハイのモデル。
リアに輝くタービンが美しい。 ガスタービンとなれば、半端な排気圧タービンとは違う本物のターボ。 是非とも音が聞きたいところ。
ガスタービンをハイブリッドに採用した電気自動車は、以前にもあった。 ボルボのECCも一例だ。 41kWの軽油を燃料にするガスタービンを搭載した、白のアルミボディーを 纏った美しい車体だったが、あれはどこへ行ってしまったのだろう...
フォードブースになぜかある、Th!nk。
Pivco社は、Th!nkごとフォードに売られたのです。 業界では「Pivcoの奴等うまくやったなぁ」という 買収劇。 フォードではTh!nkを元に、環境を強く意識した TH!inkブランドを立ち上げ、 Pivcoから買ったTh!nkの他にミニカーやアシスト自転車など を取り扱っている部門を創設しました。
フォードのブースにもP2000の燃料電池車モデルがあります。
フォードP2000プログラムは、21世紀に向けた環境を考えた車作り のプロジェクトですが、まぁ自動車メーカーとしては当然のこと。 「いまさらそんなことアピールされても」ということはあります。
ヨーロッパもないわけではなく、シトロエンのNi-Cd車。

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HTML by Shiro Matsugara